名手が繰り出す巧みな“音色遣い”にも注目
近年ピアニストとしてだけでなく、祖国スウェーデンの音楽祭やレコードレーベルの音楽監督、オーケストラの指揮など、多岐にわたる活動を行うペーター・ヤブロンスキー。その自由で充実した日々は、40代半ばを迎えた彼にますます豊かなインスピレーションを与えているようだ。毎回趣向の異なるレパートリーで、多様な顔を見せてくれる。
2年ぶりの来日となる今年は、前半でショパンを取り上げる。父親がポーランド人で、半分ショパンの祖国にルーツを持つ彼が、ポロネーズ、マズルカ、「雨だれ」や「葬送ソナタ」を組み合わせ、独自の物語を編む。後半はドビュッシーから「映像」第1集と「喜びの島」。モダンな感性が生きた、美しい色彩の演奏が期待できそう。最後には、卓越したリズム感が発揮されるコープランドの「エル・サロン・メヒコ」を置く。プログラミングに強いこだわりを見せるヤブロンスキーならではの、コントラスト鮮やかな内容。曲目ごとにがらりと変わる、巧みな“音色遣い”にも大いに注目したい。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)
11/17(火)19:00 あいおいニッセイ
同和損保ザ・フェニックスホール
11/19(木)19:00
電気文化会館ザ・コンサートホール
11/20(金)19:00 トッパンホール
問:プロアルテムジケ03-3943-6677