東京オペラシティ B→C 175 山宮るり子(ハープ)

ハープの無限の可能性を感じてほしい


 名手グザヴィエ・ドゥ・メストレの愛弟子で、2011年リリー・ラスキーヌ国際ハープ・コンクールで日本人初の1位に輝いたハープの新鋭・山宮るり子。8年間のハンブルク留学から今年6月に帰国して国内での活動を本格化した彼女が『B→C』シリーズに登場する。昨年末の東京での初リサイタルでは、有名曲のハープ編曲も入れて親しみやすいプログラムを組んでいたが、今回はJ.S.バッハのパルティータ以外、C.P.E.バッハやサンカン、黛敏郎、ドナトーニ、パターソンなどはすべてハープのためのオリジナル作品。ハープというと、どうしても優美で華麗なアルペジオをイメージしがちだが、この楽器のさまざまな顔を知ってほしいというのがかねてからの彼女のスタンス。新しい奏法や独自の音色、さらには視覚的なアクセントも含めて、私たちの知らないハープの世界をプレゼンテーションしてくれる。彼女自身が、もしこの演奏会にタイトルをつけるなら「無限の可能性を求めて」、と語っているように、ハープの可能性を濃厚に味わう一夜だ。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年10月号から)

10/13(火)19:00
東京オペラシティ リサイタルホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999
http://www.operacity.jp