『パッション』

左より:シルビア・グラブ/井上芳雄/ 和音美桜/福井貴一 撮影:熊谷仁男

左より:シルビア・グラブ/井上芳雄/
和音美桜/福井貴一 撮影:熊谷仁男

 今夏のミュージカル界を席巻した大ヒット作『エリザベート』で“黄泉の帝王”トート役を演じて好評を博した井上芳雄が、勢いもそのままにミュージカル『パッション』に主演する。今年の春に代表作の一つである『イントゥ・ザ・ウッズ』が豪華キャストで映画化、公開されるなど、話題も多いブロードウェイ・ミュージカルの鬼才スティーブン・ソンドハイムが作曲、1994年に世界初演した作品だ。イタリア映画『パッション・ダモーレ』を基に、究極の愛、そして美醜という非常に難しいテーマを扱い、最優秀ミュージカル作品賞、楽曲賞、脚本賞などトニー賞主要4部門を獲得した作品で、今回が待望の日本初演となる。
 井上扮する青年兵士ジョルジオは美しい恋人と恋愛関係にあるが、赴任先で、美貌に恵まれない病気の娘に思いを寄せられる。当初娘を寄せ付けないジョルジオだったが、彼女のあまりに激しい愛にやがて心動かされてゆき…。
「僕が思うにこれは、“逆『オペラ座の怪人』”のシチュエーション。傷を負う女性に愛されるという興味深い役どころで、二人の女性の間で揺れるうち、ジョルジオは何が本当の愛か気づいていく。今回ソンドハイム作品初挑戦となりますが、彼の楽曲にはいい意味で期待を裏切るところがあって、その複雑さに人の心の機微を表していくところがあると思う」と、作品の見どころを語る井上。ミュージカル界の実力派スターが難作で見せる新たな魅力に期待したい。
文:藤本真由
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年9月号から)

10/16(金)〜11/8(日) 新国立劇場(中)
問:新国立劇場ボックスオフィス 03-5352-9999 
http://www.nntt.jac.go.jp/play
11/13(金)〜11/15(日) 兵庫県立芸術文化センター(中)
問:芸術文化センターチケットオフィス 0798-68-0255 
http://www.gcenter-hyogo.jp