「春の祭典」と歌舞伎との出会い
様々なコラボレーションによって、平日の午後にクラシック・コンサートの新たな楽しみを提供する「日本フィル&サントリーホール とっておきアフタヌーン」シリーズ。今年5月の第1回は、竹本泰蔵の指揮で、ミュージカルで活躍する田代万里生、春野寿美礼、濱田めぐみが歌ったが、第2回の今回は、ストラヴィンスキー「春の祭典」を、日本フィル正指揮者・山田和樹のタクトのもと、歌舞伎俳優・尾上右近が舞う。右近にとってオーケストラと踊るのは初めての経験だ。
この選曲は、山田によるもの。“歌舞伎俳優が一人でオーケストラと舞う”という企画を提案された時、直感的に「春の祭典」が浮かんだという。拍子といいリズムといい、日本舞踊で通常用いられる音楽とは異なる難曲だが、幼い頃から気合に満ちた踊りで客席を沸かせ、近年は端正な踊りを披露している右近だけに、渾身の舞で観客を魅了することだろう。右近23歳、山田36歳と、若さ溢れる二人の化学反応にも期待したい。ほかにチャイコフスキー「くるみ割り人形」より「花のワルツ」と幻想序曲「ロメオとジュリエット」を演奏。
文:高橋彩子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から)
9/8(火)13:00 サントリーホール
問:サントリーホールチケットセンター0570-55-0017
http://www.suntory.co.jp/suntoryhall
【関連動画】
●日本フィル&サントリーホール とっておきアフタヌーンVol.2 歌舞伎×オーケストラ
(山田和樹×尾上右近インタビュー)
https://youtu.be/TW-AcqTI_LY