第108回〜第110回 Hakuju Hall スーパー・リクライニング・コンサート

くつろぎながら楽しむ極上の音楽


 Hakuju Hallには「リクライニング・シート」があることをご存知だろうか。コンサートホールとしては異例のことだが、客席にリクライニング・シートが採用されているのだ。ゆったりとした気分で音楽を楽しめる環境として、これ以上のものはないだろう。実際に体験してみるとわかるが、リクライニング・シートで生演奏を聴くというのはかなり新鮮な体験である。オーディオ装置の音を聴くのならともかく、目の前に舞台があるというのに、リクライニングの姿勢をとるのだから、とてつもなくぜいたくな体験をしている気分になれる。
 Hakuju Hallの『スーパー・リクライニング・コンサート』は、そんなリクライニング・シートが全席に用意される各回約60分のコンサート・シリーズ。この秋に開催される3公演をご紹介しよう。
 第108回は、西澤安澄と益田正洋によるピアノとギターのデュオ・リサイタル。マドリッドを拠点に活動しスペイン音楽を得意とするピアニスト西澤安澄が、気鋭のギタリスト益田正洋とともにスペイン音楽を聴かせる。有名な「火祭りの踊り」を含むファリャの組曲「恋は魔術師」より、ソルの「モーツァルトの《魔笛》の主題による変奏曲」、カステルヌオーヴォ=テデスコの「幻想曲」など、ピアノ・ソロありギター・ソロありデュオありの多彩なプログラムが用意されている。
 第109回は、小森邦彦によるマリンバのステージ。バッハの「前奏曲とアレグロ BWV998」、ジェームス・ウッドの「シークレットダイアログ」(委嘱日本初演)、スティーブン・ストーウェンズの「アタマスコ」(日本初演)、ピーター・クラツォウの「Songs 4つの俳句、2つのヴォーカリーゼとインタールードより」(世界初演)、ギャレス・ファーの「タンガロア」という意欲的なプログラムが組まれた。マリンバの超絶技巧と、表現の豊かな可能性を堪能できる公演となりそうだ。ゲストにはソプラノの森川栄子を迎える。
 第110回には、ヴァイオリニストの松本蘭が登場。メディアへの出演や「ミス着物」を受賞するなど、既成の枠に留まらない活動をくりひろげる松本蘭だが、ここでは愛の悲しみと喜びを題材とした小品を披露する。エルガー「愛のあいさつ」やフォーレ「夢のあとに」など、名曲が並べられた。ピアノは内門卓也。
 せっかくのリクライニング・シート、遠慮なく体を伸ばして、くつろぎながら楽しみたい。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年8月号から)

第108回 9/18(金) 西澤安澄(ピアノ)&益田正洋(ギター) デュオ
第109回 10/23(金) 小森邦彦(マリンバ)
第110回 11/27(金) 松本 蘭(ヴァイオリン)
各回15:00 19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp

  • La Valseの最新記事もチェック

    • パーヴォ・ヤルヴィ(指揮)ロング・インタビュー Part2
      on 2019/12/06 at 01:43

      interview & text :小室敬幸 photos:野口 博 NHK交響楽団首席指揮者パーヴォ・ヤルヴィに話をうかがうロング・インタビュー。後半戦はN響とのレコーディングや、2020年2〜3月に控えたヨーロッパツアーについて、じっくりと語っていただく。 ── パーヴォさんの指揮するN響のCDのなかで、バルトークにとりわけ強い感銘を受けました。これまでに発売されたもののなかでは唯一、完全にロ [&#8230 […]