
11月16日に横浜みなとみらいホールで開催される「第43回横浜市招待国際ピアノ演奏会」に先駆けて、トークイベントが7月11日、ヤマハ銀座店にて行われた。登壇者は、演奏会の企画委員長を務めるピアニストの海老彰子、同じく企画委員の伊藤恵、須田眞美子、弘中孝、第43回に出演する田所光之マルセルら6名。
「横浜市招待国際ピアノ演奏会」は、世界中から将来を期待される若手ピアニストを発掘・紹介することを目的とし、1982年に創設。これまでに約200人が出演し、その多くが国際的に活躍している。
今回は、2021年モントリオール国際のファイナリストで、22年のヴァン・クライバーン国際でジョン・ジョルダーノ審査員長特別賞を受賞した田所をはじめ、24年の浜松国際で第2位に入賞し、10月のショパン国際への出場を予定しているヨナス・アウミラーなど、国際コンクールでの入賞経験を持つ実力者4名が登場する。
第43回横浜市招待国際ピアノ演奏会
出演
サン・ジッタカーン(タイ)
2018年ジュネーヴ国際音楽コンクール第3位
ジャン=ポール・ガスパリアン(フランス)
2014年 ヨーロッパ・ピアノ・コンクール・ブレーメン 優勝
ヨナス・アウミラー(ドイツ)
第12回浜松国際ピアノコンクール 第2位
田所光之マルセル(日本/フランス)
2021年 モントリオール国際音楽コンクール ファイナリスト
2010年より企画委員長を務める海老。この演奏会の魅力を「4人のピアニストの個性や感受性の違いを楽しめる贅沢な機会。アンコールとして披露される連弾には“お祭り”のような華やかさがあります」と語る。
これまでに数多くのコンクールで審査員を務めており、10月のショパン国際の審査員にも名を連ねる海老だが、若いピアニストに期待することとして「コンクールでの1位がすべてではない」、大切なのは「音楽に対する強い情熱」だと強調した。
また、聴衆に向けても「その日、感動を与えた人だけでなく、すべての演奏者に耳を傾け、応援する気持ちで聴いてほしい」とメッセージを送った。

田所光之マルセルはこの演奏会で、日本では初披露になるというリストの「超絶技巧練習曲集」(抜粋)などを演奏予定。また連弾では、ヨナス・アウミラーとペアを組む。
「“練習曲”は単なる指のエチュードではなく、作曲家自身の実験や挑戦の記録でもあります。試作的な要素も含まれていて、演奏する側にも発見が多く楽しい作品です。
アウミラーさんとは直接会ったことはないのですが、お互いコンクールの配信を見た後にSNSを通じてメッセージを交換するなど“両思い”のような関係です。今回、実際に共演できるのがとても楽しみです」

トークイベントの最後には、田所によるミニコンサートも行われ、グルダの「Play Piano Play」から第4&第6番と、6月に発売されたばかりのデビュー盤にも収録されているヘンゼルトのエチュード op.13-2「ゴンドラ」を披露し、会場を沸かせた。

文・写真:編集部
第43回横浜市招待国際ピアノ演奏会
2025.11/16(日)15:00 横浜みなとみらいホール
※7/26(土)発売
問:横浜みなとみらいホールチケットセンター 045-682-2000
https://yokohama-minatomiraihall.jp



