ベルギー金管アンサンブル Special Guest ミシェル・ベッケ(トロンボーン)

至高の名手と強者たちがおくる、変幻自在のブラス・サウンド


 五重奏などコンパクトな編成の金管アンサンブルも愉しいが、それらを含む様々な編成が楽しめるとなれば、当然さらに面白い。そんな夢を実現させたのがベルギー金管アンサンブル。トランペット4名、トロンボーン4名、ホルン2名、テューバ1名、打楽器2名の計13名が揃い、合奏はもとより、金管五重奏、トロンボーン四重奏など、多様なアンサンブルを堪能させてくれる。メンバーは、リエージュ・フィルやワロニー王立劇場、吹奏楽界に名を馳せるベルギー空軍軍楽隊のソロ奏者をはじめ、同国の著名楽団で活躍する精鋭たち。彼らは、打楽器を含む編成と相まってのフレキシビリティ、豊かなニュアンス、幅広い音色、快適な響き、高感度の音楽性で、唯一無二の魅力を満喫させる。しかも公演には、フランスを代表するブラス界の巨星にしてトロンボーンの“神様的”な存在の一人、ミシェル・ベッケがゲストで参加。彼の精緻なテクニックとベルベットトーンまで味わえるとなれば、もはや贅沢極まりない。
 演目は、ガブリエリの定番曲やヴィヴァルディから、ビゼーの「カルメン組曲」、ピアソラや「パイレーツ・オブ・カリビアン」「ライオン・キング」まで極めて多彩。これはブラス公演の常道ではあるが、彼らの場合、こうした楽曲がいかなる編成やサウンドで演奏されるのか? も大きな妙味となる。ベルリオーズ「葬送と勝利の大交響曲」の「追悼の辞」やウェーバー、ピアソラで聴かせるベッケのソロも、むろん貴重にして嬉しい贈り物。あらゆる聴衆の好みと音楽的好奇心を満足させる当公演に、こぞって足を運ぼう!
文:柴田克彦
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)

6/24(水)18:45 電気文化会館ザ・コンサートホール
6/25(木)19:00 京都コンサートホール(小)
6/26(金)19:00 伊丹アイフォニックホール 
6/28(日)19:00 東京文化会館(小)
問:プロアルテムジケ03-3943-6677 
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