宇宙を感じる室内楽コンサート
sonoriumは、東京・永福町の閑静な住宅街の一角にたたずむシンプルな建築美と同時に、理想的な音響と温かな雰囲気を兼ね備えた小ホール。その白い壁に美しい映像を投影し、質の高い演奏と共に楽しむシリーズ『映像と音楽』は、今までになかった「新しい感覚のステージ」として、体験した人たちから好評を得ている。6年目を迎えたシリーズの中での注目は、作曲家の酒井義久と4人の女性弦楽器奏者によるユニット「S.N.G.」に、ピアニストの浦壁信二が加わってのステージ『S.N.G. concert @ sonorium』だ。
酒井は国立音楽大学を卒業後、音楽出版社に勤務。その後CM音楽制作会社の専属を経てフリーに転じ、受賞も数多い気鋭の作曲家。2009年には映画『HAYABUSA-BACK TO THE EARTH-』(上坂浩光監督)をはじめ、同じく上坂監督による『MUSICA〜宇宙はなぜ美しい?』『HAYABUSA2 RETURN TO THE UNIVERSE』という3つの映像作品の音楽を担当し、高い評価を得た。今回のステージでは、これら3つの作品のための音楽を、その映像を交えながら、アコースティック・サウンドで堪能する。
酒井を中心に、ヴァイオリンの相磯優子と田島朗子、ヴィオラの錦田知子、チェロの富永佐恵子らクラシックにとどまらない活動を展開する女性奏者たちで構成する「S.N.G.」は「サカイ・ナニガシ・ガッソウダン」の略で、09年に浅田次郎原作のミュージカル『月のしずく』の上演を機に結成され、これが2回目のオリジナルコンサートとなる。そして、ピアノの浦壁は、ソリストのみならず、室内楽でも活躍する実力派。素晴らしい楽曲・演奏・音響と映像によって、聴く者を美しい宇宙への旅へと誘う。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)
7/18(土)14:00 19:00 sonorium
問:http://www.neguseman.com