《伯爵令嬢マリツァ》はオペレッタ作曲家エメリッヒ・カールマン(1882〜1953)の代表作のひとつで、ウィンナ・ワルツやハンガリー情緒ただようチャールダーシュはじめ、美しいメロディが次から次に現れる魅力的な作品だ。物語は、親の借金で破産した若き伯爵タシロ(テノール)と、自分に寄ってくる男は全員財産目当てと疑って恋を煩わしく感じている裕福な令嬢マリツァ(ソプラノ)の2人を中心に描く恋模様。“いかにも”というストーリーだし、日本語上演なので特別な予習は不要かもしれない。上演するムジカ・チェレステ(代表:佐藤智恵)は、コンサートの企画やイベントへの演奏家派遣など、音楽の現場のさまざまなノウハウを持つ会社。公演は若手演奏家やスタッフを積極的に起用している。公演を「虹組」(昼公演)と「夢組」(夜・夕方公演)のWキャストに分けているのも面白い。主演の2人には「虹組」が松原有奈と池本和憲、「夢組」が新南田ゆりと倉石真が出演。ピアノと小編成弦楽アンサンブルの伴奏による上演。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年7月号から)
7/3(金)14:00 19:00、7/4(土)12:30 16:30
渋谷区文化総合センター大和田 さくらホール
問:ムジカ・チェレステ03-6804-9702
http://musica-celeste.com