日生劇場ファミリーフェスティヴァル2015 バレエ『シンデレラ』

家族といっしょに楽しむファンタジーの世界

 毎夏、日生劇場で開催されるファミリーフェスティヴァル。クラシック・コンサートやミュージカル人形劇、寄席などの本格的な舞台芸術に親子で触れることのできる人気のイベントである。
 今年のバレエはスターダンサーズ・バレエ団による『シンデレラ』。テアトロ・ジーリオ・ショウワ・オーケストラ(指揮:田中良和)による生演奏での上演となっている。同団の『シンデレラ』は、ちょっぴり現代風にアレンジされた演出が特徴。仕事で忙しく家のことは妻に任せきりの父と、夫に振り向いてもらえない寂しさを募らせるあまり継子であるシンデレラにつらく当たってしまう母。そんな中、希望を捨てず、家族の絆を紡ごうとする心優しいシンデレラの姿が丁寧に描かれている。
 家族愛や人を思いやる心とは何かを問いかける上質のファンタジーとなっており、親子で鑑賞するにはうってつけの作品といえるだろう。シンデレラの心の友として登場する着ぐるみのねずみたちも非常に可愛らしく、子どもたちのハートをつかむに違いない。
 また上演前には、初めてバレエを観る子どもや、バレエを習い始めた人が楽しめるよう作品解説が行われ、ロビーではダンサーによる「ミニ・ミニ・ワークショップ」も開催。作品内で登場するマイムやステップを体験できるので、早めに会場に到着して存分に楽しみたい。シンデレラ役は林ゆりえと渡辺恭子、王子には吉瀬智弘と加地暢文を配役。夏休みの思い出に、家族で出かけてみてはいかがだろうか。
文:石村紀子
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年6月号から)

8/21(金)〜8/23(日) 日生劇場 
5/27(水)発売
問:日生劇場03-3503-3111 
http://www.nissaytheatre.or.jp