第11回 ストラディヴァリウス・サミット・コンサート2015

最高の名手と銘器が出会う瞬間

©満田 聡
©満田 聡
 ヴァイオリンの女王的存在として君臨するストラディヴァリウス。その銘器ばかりが揃ってアンサンブルを奏でる『ストラディヴァリウス・サミット・コンサート』が今年も開催される。しかも出演するのが世界最高峰ベルリン・フィルのトップ・メンバーたちなのだから超豪華。注目度倍増のコンサートだ。
 現存するストラディヴァリウスは600挺ほどと言われているが、今回ステージに集まるのは、そのうちの11挺。かつて貴志康一が日本人として初めて所有したストラディヴァリウスである「キング・ジョージⅢ」(1710年製作)はじめ、7挺のヴァイオリンと、ヴィオラとチェロ2挺ずつが集結する。その時価総額は約90億円以上だとか。希少価値でいえばヴィオラがすごい。ストラディヴァリウスのヴィオラは現在世界に10挺ほどしか残っていないといわれるが、そもそも製作されたヴィオラそのものがせいぜい20挺程度だったという説もあるから、世界遺産級の貴重品だ。そのうちの2挺が同時に鳴り響くのを聴ける機会は滅多にない。幻の銘器といわれるヴィオラ「グスタフ・マーラー」(1672年製作/作曲家マーラーの生誕100年の年にお披露目された)も登場する。
 バッハ、モーツァルトからヴィヴァルディ「四季」、チャイコフスキー「弦楽セレナーデ」、バーバー「アダージョ」など、弦楽の名曲がこれでもかと並ぶプログラムにも大満足。銘器、名曲、名演奏家の掛け合わせで、異次元の魅力が生まれるにちがいない。
文:宮本 明
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)

5/28(木)愛知県芸術劇場コンサートホール
5/29(金)山口市民会館
5/30(土)サントリーホール(完売)
5/31(日)福岡シンフォニーホール
6/2(火)アクトシティ浜松(中)
6/3(水)サントリーホール
6/4(木)フェスティバルホール
6/6(土)松山市民会館
6/7(日)サントリーホール(完売)
※各公演の詳細は下記ウェブサイトでご確認ください。
http://st-summit.com