山海塾 新作『海の賑わい 陸の静寂―めぐり』

夢幻的な様式美を心ゆくまで味わう

『MEGURI』 ©Sankai Juku
『MEGURI』 ©Sankai Juku
 今年で結成40年、ヨーロッパに出て35年。活動の節目を迎えた天児牛大(あまがつうしお)率いる山海塾が、3月に新作『海の賑わい 陸の静寂―めぐり』を北九州芸術劇場で世界初演した。「遠くからの呼び声」から「回帰」に至るまで全7景。山海塾の新作が国内で初演されたのは36年ぶりとのことで意気込みもひとしお。共同制作に携わった、コンテンポラリー・ダンスのメッカ、パリ市立劇場など海外へも発信される。反響が楽しみだ。国内ではまず5月に東京の世田谷で、この新作と並んで『歴史以前の記憶―うむすな』が再演される。『うむすな』の表題は日本の古語「うぶすな(産土)」に由来。6月には大津で『うむすな』が、松本で『とばり』が上演される。北九州芸術劇場と大津のびわ湖ホールは、共同制作に積極的に携わるなど長年にわたり山海塾の活動をサポートしてきた。世界の第一線で活躍する異色の舞踏カンパニーが確立した夢幻的な様式美を心ゆくまで味わってみたい。
文:渡辺真弓
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)

『海の賑わい 陸の静寂―めぐり』
5/20(水)〜5/24(日) 
『歴史いぜんの記憶―うむすな』
5/29(金)〜5/31(日) 
世田谷パブリックシアター 
問:山海塾03-3498-9622/世田谷パブリックシアター03-5432-1515 

『歴史いぜんの記憶―うむすな』
6/7(日)14:00 びわ湖ホール(中) 
問:びわ湖ホールチケットセンター077-523-7136  

『降りくるもののなかで―とばり』
6/13(土)14:00 まつもと市民芸術館
問:まつもと市民芸術館チケットセンター0263-33-2200