ピティナ「十代の演奏家」Vol.18 特別編 阪田知樹(ピアノ)

大器の音楽性を体感

©Ellen Appel-Mike Moreland/The Cliburn
©Ellen Appel-Mike Moreland/The Cliburn
 全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)による人気シリーズ『十代の演奏家』。田村響や関本昌平、遡れば田部京子なども十代の時分に登場しているというから、有望な若手を抜擢するその眼力は確かだ。
 2010年以降休止していたシリーズが再開されるにあたり、「特別編」として登場するのは阪田知樹。11年ピティナ・ピアノコンペティション特級グランプリ、13年にはヴァン・クライバーンコンクールで最年少ファイナリストとなって注目された21歳。昨年からハノーファーで研鑽を積むようになり、数年中のさらなる飛翔が期待される、このシリーズに相応しい出演者だ。
 プログラムは、音楽への純粋な探究心と愛情を持つ阪田らしい内容。冒頭にメシアン追悼のために書かれたミュライユの「別離の鐘、そして微笑み…」を置き、ラヴェルの「夜のガスパール」、フォーレ最晩年の作であるノクターン第13番とつなぐ。どんなハーモニーの移ろいが見えるだろうか。さらに得意とするリスト「スペイン狂詩曲」や、ショパンのソナタ第3番など盛りだくさんの内容が用意されている。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年5月号から)

5/5(火・祝)13:30 浜離宮朝日ホール
問:全日本ピアノ指導者協会(ピティナ)03-3944-1583
http://www.piano.or.jp