新たな年の幕開けに愉しむ生命力と色彩に満ち溢れたバロックの傑作
東京ヴィヴァルディ合奏団による恒例のニューイヤーコンサートが1月12日、第一生命ホールで開催される。メイン・プログラムはヴィヴァルディの「四季」。同合奏団では毎年異なるゲストを招いて新春にこの作品を演奏するのが恒例となっている。春夏秋冬の情景をきわめて描写的に浮かび上がらせるヴィヴァルディの「四季」は、新たな一年に思いを馳せるにはぴったりの作品だろう。2025年のゲストは世界の檜舞台で活躍する名手、竹澤恭子。新年にふさわしい豪華ソリストの登場だ。イタリア・バロック屈指の人気曲で、どんな四季の情景を描いてくれるのか、大いに期待が高まる。
東京ヴィヴァルディ合奏団は1961年の結成。弦楽五部とチェンバロの12人編成でヴィヴァルディをはじめとするバロック音楽、さらには近現代のレパートリーにも意欲的に取り組む。今回のプログラムは、前半が合奏団のみによる演奏、後半が「四季」となっている。
前半のプログラムも興味深い。フランスの作曲家、ピエルネの爽快な小品「弦楽のためのセレナード」で幕を開け、イタリアのロマン・ヴラドの「ロミオとジュリエット組曲~いにしえなる旋律の思い出」が続く。1954年の映画に由来する作品だが、擬古的なテイストが魅力。さらにバッハの有名な「シャコンヌ」が弦楽合奏版で演奏される。多彩なプログラムが新春に華やぎをもたらす。
文:飯尾洋一
【Information】
東京ヴィヴァルディ合奏団
2025 ニューイヤーコンサート
第38回〈新春は『四季」を聴きたい〉
2025.1/12(日)14:00 第一生命ホール
♪出演
東京ヴィヴァルディ合奏団
ゲスト:竹澤恭子(ヴァイオリン)☆
♪曲目
ピエルネ:弦楽のためのセレナード op.7
ロマン・ヴラド:ロミオとジュリエット組曲~いにしえなる旋律の思い出
J.S.バッハ=R.ニールセン:「シャコンヌ」 弦楽合奏のための~無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ BWV1004より
ヴィヴァルディ:「四季」全曲~ヴァイオリン協奏曲〈和声と創意の試み〉 op.8より ☆
問:東京ヴィヴァルディ合奏団03-6277-8450