宮田大&横溝耕一が贈る室内楽フェスティバル AGIO vol.2 記者懇談会

左:宮田大 右:横溝耕一

 12月13日から15日にかけて、Bunkamura オーチャードホールと浜離宮朝日ホールの共同企画「宮田大&横溝耕一が贈る室内楽フェスティバル AGIO(アージョ)vol.2」が開催される。先日、フェスティバルの会場となる浜離宮朝日ホールで記者懇談会が行われ、発起人の二人、日本を代表するチェロ奏者の宮田大と、N響のヴァイオリン奏者であり、ヴィオラ奏者としてウェールズ弦楽四重奏団などでも活躍する横溝耕一が出席した。

 昨年の第1回が絶賛を博した「AGIO」。この企画の実現が長年の夢だったという横溝は、あらためてコンセプトを語った。
「日本の音楽祭は、そのほとんどが地方都市での開催で、なおかつオーケストラがメイン。素晴らしいことだと思いますが、東京で行われることは珍しく、優秀で若い弦楽器奏者が集まる場が少ないということに大学生の頃から疑問を感じていました。昨年、夢を叶えていただく形でスタートし、僕が最も信頼を置く宮田さんと一緒に共演者に声をかけ、これ以上ないメンバーが集まってくれました。今回はその第2弾。昨年以上に盛りあがる音楽祭にしたいです」

 宮田と横溝を中心に、ソリストの木嶋真優(ヴァイオリン)、N響首席の辻本玲(チェロ)といった名手たちが集った第1回。今回はさらに、国際的に活躍する三浦文彰、N響第1コンサートマスターの郷古廉(以上ヴァイオリン)らが参加、さらに充実した布陣で挑む。宮田はそんな第2回に集うアーティストたちを「トップオブトップ」と表現する。
「リハーサルで音を合わせるのが楽しみです。素晴らしいプレイヤーたちと演奏で対話をして生み出されるパワーは、とてつもなく大きなものになっていくと思うので、本番ではそういった音楽の化学変化を聴いてほしい。クラシック音楽の真髄を感じられるプログラムを予定しているので、老若男女いろんな方に楽しんでいただきたいです」

 今年は全6公演。開幕を飾る「魅惑のチェロ・クァルテット」には、宮田、辻本に加え、都響の清水詩織、ジャパン・ナショナル・オーケストラの水野優也の4人が登場。生誕150年のシェーンベルクをメインに据えた「弦楽六重奏《浄められた夜》」には、宮田、横溝、郷古、三浦(ヴァイオリン/ヴィオラ)、読響ソロ首席の鈴木康浩(ヴィオラ)、辻本というこの世代を代表するメンバーが集結。一流の演奏と親しみやすいパフォーマンスで昨年好評を博した、0歳児から入場可能な「ファミリーコンサート」など、バラエティ豊かなラインナップが用意されている。

 横溝によると、同世代の人たちにもコンサートを楽しんでほしいというねらいがあるという。
「そもそも僕が『AGIO』をやりたいと思った時にイメージしたのは、コアなクラシックファンの方に楽しんでいただくことはもちろん、浜離宮朝日ホールの近辺で働く我々と同世代の方たちに、いつもより少しだけおしゃれをして、社交の場としてコンサートを楽しんでもらうことでした。敷居の高さを感じて遠慮するのではなくて、若い世代にもぜひ来ていただきたいです」

 室内楽専用ホールで聴く日本の精鋭たちによる充実のプログラム。一期一会の演奏を、ぜひライブで楽しみたい。

【Information】
Bunkamura オーチャードホール × 浜離宮朝日ホール 共同企画
ORCHARD PRODUCE 2024
宮田大&横溝耕一が贈る室内楽フェスティバル AGIO vol.2

会場:浜離宮朝日ホール 9/7(土)発売

魅惑のチェロ・クァルテット(12/13)

2024.12/13(金)14:00

出演
宮田大、辻本玲、清水詩織、水野優也(以上チェロ)

曲目
フィッツェンハーゲン:アヴェ・マリア op.41
ロジャース(小林幸太郎編):『サウンド・オブ・ミュージック』メドレー
ピアソラ(小林編):アディオス・ノニーノ、天使のミロンガ、天使の死、鮫
ポッパー:演奏会用ポロネーズ op.14
J.S.バッハ:シャコンヌ(無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番 BWV1004より)

オープニング・ナイト(12/13)

12/13(金)19:00

出演
三浦文彰、郷古廉(以上ヴァイオリン)、横溝耕一(ヴィオラ)、宮田大(チェロ)、沼沢淑音(ピアノ)

曲目
坂本龍一(篠田大介編):星になった少年(宮田、沼沢)
武満徹:鳥が道に降りてきた ~ヴィオラとピアノのための~(横溝、沼沢)
ドヴォルザーク:ピアノ五重奏曲 イ長調 op.81 他

ピアノ三重奏&ピアノ四重奏(12/14)

12/14(土)14:00

出演
木嶋真優(ヴァイオリン)、横溝耕一(ヴィオラ)、辻本玲(チェロ)、沼沢淑音(ピアノ)

曲目
マーラー:ピアノ四重奏曲 イ短調
ショスタコーヴィチ:ピアノ三重奏曲第2番 ホ短調 op.67(木嶋、辻本、沼沢)
ブラームス:ピアノ四重奏曲第1番 ト短調 op.25

弦楽六重奏《浄められた夜》(12/14)

12/14(土)18:30

出演
三浦文彰(ヴァイオリン・ヴィオラ)、郷古廉(ヴァイオリン)、横溝耕一(ヴィオラ・ヴァイオリン)、鈴木康浩(ヴィオラ)、宮田大、辻本玲(以上チェロ)

曲目
R.シュトラウス:歌劇《カプリッチョ》より弦楽六重奏曲
コダーイ:ヴァイオリンとチェロのための二重奏曲 op.7(三浦、宮田)
シェーンベルク:浄められた夜 op.4 他

ファミリーコンサート《動物の謝肉祭》(12/15)

12/15(日)10:30

出演
戸原直、郷古廉(以上ヴァイオリン)、横溝耕一(ヴィオラ)、宮田大(チェロ)、谷口拓史(コントラバス)、梶川真歩(フルート)、コハーン・イシュトヴァーン(クラリネット)、坂本彩、坂本リサ(以上ピアノ)、竹島悟史(パーカッション) 

曲目
サン=サーンス:動物の謝肉祭
※上演時間:約45分(休憩なし、途中入退場可能)

クロージング・コンサート(12/15)

12/15(日)15:00

出演
三浦文彰、郷古廉(以上ヴァイオリン)、横溝耕一(ヴィオラ)、宮田大、辻本玲(以上チェロ)、ロー磨秀(ピアノ)

曲目
ピアソラ(山中惇史編):ヴィオレンタンゴ、悪魔のロマンス、アディオス・ノニーノ
シューベルト : 弦楽五重奏曲 ハ長調 op.163 D956

問:Bunkamura 03-3477-3244
https://www.asahi-hall.jp/hamarikyu/event/2024/12/event2797.html