モーツァルト名曲づくしの一夜
瑞々しいサウンドが、東京に春の訪れを告げる。次代を担う気鋭のアーティストの熱演を聴く『フレッシュ名曲コンサート』。今回は、飯森範親指揮の東京交響楽団によるオール・モーツァルト・プログラムで、珠玉の名曲を堪能する。まずは、2011年の第80回日本音楽コンクールと13年の第11回東京音楽コンクール弦楽部門で、第2位を獲得したヴァイオリンの篠原悠那(しのはらゆうな)が登場。トルコ軍楽隊のサウンドを模した最終楽章の旋律が異彩を放つ協奏曲第5番「トルコ風」を披露する。続いて、02年に開かれた第12回チャイコフスキー国際コンクールのピアノ部門で、日本人初の第1位を獲得し、一躍スターダムを駆け上ったピアノの上原彩子が登場。ピアノ協奏曲の中でも特に人気が高い佳品・第20番を弾く。そして、締め括りは、モーツァルト最後の交響曲である第41番「ジュピター」。山形交響楽団との8年がかりの交響曲全曲演奏を、この2月に完遂する飯森だけに、密度の濃い好演が期待できそう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年2月号から)
3/6(金)19:00 新宿文化センター
問:新宿文化センター03-3350-1141
http://www.regasu-shinjuku.or.jp