第21回「芥川作曲賞」は山内雅弘の作品に決定

 作曲家・芥川也寸志の功績を記念して創設された「芥川作曲賞」は、将来を期待される新進作曲家の作品を、演奏会形式による公開審査で選出するというユニークな作曲賞として知られる。21回目の今回は、8月28日(日)にサントリーホールで行われた演奏会(大井剛史指揮新日本フィルハーモニー交響楽団)による公開選考(選考委員:伊佐治直、新実徳英、湯浅譲二)の結果、山内雅弘(やまうちまさひろ)の「『宙の形象』(そらのかたち)〜ピアノとオーケストラのための」が受賞し、主催のサントリー芸術財団より賞状と賞金50万円が贈られた。贈賞理由は「音楽の発想、オーケストレーション、構成、それらが一体となって、人間精神=魂に迫る力強い作品となっている」点で評価された。
 山内は1960年仙台出身。86年東京芸術大学大学院作曲専攻修了。作曲を本間雅夫、八村義夫、南弘明、松村禎三、黛敏郎らに師事している。これまでにシルクロード管弦楽作曲コンクール入賞、第16回朝日作曲賞、第2回東京佼成ウインドオーケストラ作曲コンクール第1位などの受賞歴があり、現在は東京学芸大学の教授を務めている。なお、サントリー芸術財団は山内に交響管弦楽作品の新作を委嘱。完成後、同財団主催のコンサートで初演することが決定している。委嘱料は100万円。

サントリー芸術財団(音楽事業) HP