深い共感で迫るシューマン夫妻の世界
シューマンという果てしなく豊かな想像力を持つ作曲家に、長きにわたり向き合い続けて来たピアニストの伊藤恵。“脂ののりきったアーティストが考え抜いたプログラムで真価を聴かせる”トッパンホール「おとなの直球勝負」シリーズで、これまで培ったシューマンへの深い理解を披露する。
演奏されるのは、若き日のシューマン
の創作の源となった妻クララへの想い、ふたりの絆が感じられる作品ばかり。シューマンからは、「クライスレリアーナ」と「幻想曲」。ロマンあふれる2つの大曲を1夜にして聴くことができるのは貴重な機会だ。それぞれの作品の前には、そこから少しの時を経てクララが作曲した「ロベルト・シューマンの主題による変奏曲」、「4つの束の間の小品」が置かれる。シューマンの音楽への尊敬と理解が伝わる作品が、彼のファンタジーに満ちた音楽の世界をより身近に感じさせてくれるだろう。
伊藤が深い共感とともに迫る、シューマンの幻想の世界。必聴のリサイタルだ。
文:高坂はる香
(ぶらあぼ + Danza inside 2015年1月号から)
2015.1/24(土)15:00 トッパンホール
問:トッパンホールチケットセンター03-5840-2222
http://www.toppanhall.com