日本チェロ界のレジェンドとホープが紡ぎだす物語
世代を超えたチェロの名手4人とピアノによる、チェロ・アンサンブル公演が開かれる。中心となる名匠は岩崎洸と堀了介。岩崎は桐朋学園高校からジュリアード音楽院に留学し、1965年カーネギーリサイタルホールデビューなど、いち早く世界的に活躍したパイオニア的存在。堀了介は桐朋学園からウィーンに学び、1970年代にNHK交響楽団で首席奏者を務めた名匠である。20世紀後半の日本チェロ界を支え、現在まで半世紀以上にわたり第一線で活躍する両巨匠の演奏を、同じ舞台で体験できる。
そして、これからを担っていく世代の堀沙也香と荒井結。堀了介を父にもち、岩崎に師事した堀沙也香は、ソロ活動や父娘共演のCDリリースなど、この場にふさわしい俊才。荒井はドイツに学び、ブラームス国際コンクール第2位受賞、国内外でソリストを務める期待の俊英。小森谷裕子のピアノとともに、クレンゲルやタンスマンの作品など、演奏機会の稀少な佳品集が奏でられる夕べで、4人の深きチェロの音に包まれる。
文:林 昌英
(ぶらあぼ2023年12月号より)
2023.12/13(水)19:00 浜離宮朝日ホール
問:LEGARE 0467-91-0496
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