深い精神性と知性で聴き手を魅了するフランスの名手
ピアニストのクレール・デゼールは、14歳でパリ国立高等音楽院(CNSMDP)に入学し、作曲家・ピアニストのジャン・ユボーらに師事。モスクワのチャイコフスキー音楽院でも研鑽を積んだ。現在はCNSMDPの教授を務めている。室内楽演奏で高い評価を得ており、世界最大級のクラシック音楽祭「ラ・フォル・ジュルネ」に欠かせない存在でもある。とりわけエマニュエル・シュトロッセ(ピアノ)との共演は多くの話題を呼んでいる。
今回、彼女はシューマンの「交響的練習曲」を軸に、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ「テンペスト」やドビュッシーにバルトークの作品と、あらゆるピアノ書法が盛り込まれたプログラムを海老名市文化会館と国分寺市立いずみホールで披露する。卓越したアンサンブル力と多彩な音色を持ち味とするデゼールのピアニズムを存分に味わうことのできる内容といえるだろう。シューマンを得意とする彼女が、超絶技巧と構築性が求められる「交響的練習曲」をどのように演奏してくれるのか、ぜひ注目してほしい。
文:長井進之介
(ぶらあぼ2023年12月号より)
2023.12/10(日)14:00 海老名市文化会館(小)
問:海老名市文化会館046-232-3231
https://www.ebina-bunka.jp
12/16(土)14:00 国分寺市立いずみホール
問:国分寺市立いずみホール042-323-1491
https://www.kokubunji-izumihall.jp