【SACD】コントラスト/三原未紗子

 2019年ブラームス国際コンクールピアノ部門で優勝し、ブラームス作品集でCDデビューした三原未紗子。2作目のアルバムでは、「神/悪魔」「バロック/現代」「静/動」といった対比を描く「コントラスト」をコンセプトに据えた。祈りや安堵をもたらすJ.S.バッハやシューベルトの作品に、鋭く暗く切り込むようなリーバーマンやリゲティの作品を対峙させる。最後のトラックにはリストの大作ソナタロ短調を置き、光と闇、緊張と弛緩などいくつものコントラストを重層的に織り込み、堂々たる演奏ですべてを回収していくように、壮大な世界観を築き上げる。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2023年12月号より)

【information】
SACD『コントラスト/三原未紗子』

J.S.バッハ(マイラ・ヘス編):主よ 人の望みの喜びよ/リーバーマン:ガーゴイル/シューベルト(リスト編):アヴェ・マリア/リゲティ:「ピアノのための練習曲」第1巻より第6番〈ワルシャワの秋〉、同第2巻より第10番〈魔法使いの弟子〉/リスト:愛の夢第3番、ピアノ・ソナタ ロ短調

三原未紗子(ピアノ)

オクタヴィア・レコード
OVCT-00208 ¥3850(税込)