10月から11月にかけて来日したウィーン・フィルハーモニー管弦楽団はジョルジュ・プレートルと共に小澤征爾に対して「名誉団員」の称号を贈った。この「名誉団員」とは、「長年にわたるウィーン・フィルハーモニー管弦楽団との相互の尊敬と深い人間関係で刻印された絆の印として、芸術における業績を讃え」贈られる称号で、日本人では小澤が初めてとなる。過去にはリヒャルト・シュトラウス、ヴィルヘルム・フルトヴェングラー、カール・ベーム、ロリン・マゼールなど50人の音楽家たちが名を連ねている。小澤は1966年にザルツブルク音楽祭でウィーン・フィルと初共演し、以来、2002年には日本人指揮者として初めてニューイヤー・コンサートを指揮し、今年の6月までウィーン国立歌劇場音楽監督を務めるなど、ウィーン・フィルとは深い関係を保っている。小澤は「今年は私が病気したために複数の公演をキャンセルしなければならず大変に心苦しく思っていたにも関わらず、このような名誉に恵まれたことに対し、団員の皆様に心より感謝している。またウィーン・フィルの仲間と共に演奏できる日を楽しみにしている」とコメントしている。