【CD】フロウ・ウィズ・ザ・ブリーズ/池上亘

 N響の奏者を務めながら、様々なアンサンブルで活躍する池上亘の初のソロ・アルバム。まずはトロンボーン独奏の代表作が並んだ選曲が、“満を持して”の意気込みを感じさせる。芳醇な音色とスムーズな音の運びで奏される、堅牢かつ濃密な音楽は、どれも聴き応え十分。特にカステレードやダヴィットの作品等は一般ファンに一聴をお薦めできるし、N響の打楽器奏者・竹島悟史の委嘱作もなかなか味わい深い。城綾乃の繊細なピアノも快演に大きく貢献。4曲が今年の日本管打楽器コンクールの課題曲・選択曲に指定されているので、奏者の規範としても格好の1枚だ。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2023年8月号より)

【information】
CD『フロウ・ウィズ・ザ・ブリーズ/池上亘』

デュティユー:コラール、カデンツァとフガート/カステレード:ソナチネ/ボザ:バラード/ヒンデミット:トロンボーン・ソナタ/ダヴィット(R.ミュラー編/ツィンマーマン版):コンチェルティーノ 変ホ長調/竹島悟史:フロウ・ウィズ・ザ・ブリーズ 他

池上亘(トロンボーン)
城綾乃(ピアノ)

フォンテック
FOCD9881 ¥3080(税込)