名コンビで聴かせるドイツ音楽の神髄
2012年に大田区民ホール・アプリコで公演を行い、チャイコフスキーの「悲愴」を中心としたプログラムが大好評を博した小泉和裕&都響。あれから約2年を経て、名コンビがふたたびアプリコの舞台に帰ってくる。今回のメインは、ドイツ音楽の金字塔のひとつとして名高いブラームスの交響曲第1番。強い構成力を持った交響曲の指揮に定評がある小泉にとって、これほど相応しい作品はないかもしれない。全4楽章を通じて揺るぐことのない情熱と緊張に貫かれ、圧倒的な高揚感に満ちたフィナーレへと達することだろう。そこに美しい華を添えるのが若手ヴァイオリニストの南紫音。ロン=ティボー国際コンクールでの第2位入賞から早いものでもう10年近く。その瑞々しい演奏はさらに洗練されてきている。今回はブルッフの協奏曲第1番を、持ち前の歌心と技巧でスケール豊かに歌い上げる。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)
11/8(土)15:00 大田区民ホール・アプリコ
問:大田区民ホール・アプリコ03-5744-1600
http://www.ota-bunka.or.jp