JR八王子駅南口地区再開発事業の一環として、地上41階のビルの中に建設中の「八王子新市民会館」。2011年4月に開館予定のこの新ホールは、多機能ホールでありながらクラシック音楽のコンサートやオペラにも対応できるよう優れた音響設計がなされている。座席数は2021で、2層のバルコニー席が舞台側に迫る囲み形式。幅43メートル、奥行き20メートルという広々とした舞台もこのホールの自慢のひとつでバレエをはじめ様々な催しが可能となる。八王子市のランドマークとなる新市民会館だが、オープンから3年にわたり、指揮者の西本智実をエグゼクティブ・プロデューサーとして迎え、「西本智実プロジェクトin八王子」の名のもとにクラシック音楽やオペラの企画を立ち上げることが発表された。昨年12月22日に行われた記者会見の席で、黒須隆一八王子市市長は「市民にクラシックを楽しんでもらうことを目的に、自主事業のプロデューサーとして西本智実さんを迎えた。経済状況の厳しい中だからこそ、人々の心の豊かさが必要とされると思う。八王子市を“音楽の街”としたい」と語り、それを受けて西本は「この事業に参加できることを嬉しく思う。小さなお子さんも含め多くの人が楽しめるホールにしていきたい。これまでオペラやバレエを指揮し、舞台芸術を体験して得た多くのことを生かせれば嬉しい。様々な分野の人たちとアイディアを出し合って、みんながわくわくするようなオペラ、バレエを上演したい」と語った。さらに八王子市は大学が多いという地域的な利点を生かし「たとえば美術大学とのコラボレーションもぜひ実現したい。将来は“日本発”の舞台芸術を世界に発信したい。取り上げるオペラの演目は、できるだけ世界の時流にあったものを考えている」と意気込みをみせた。
なお、西本は2010-2011年のシーズンよりロシア国立交響楽団の首席指揮者に就任することが決まっている。
問:八王子市市民活動推進部学園都市文化課042-620-7409