テイツィアーナ・ドゥカーティ(ソプラノ)&山口研生(ピアノ)

「奇跡の声」に再び会える

 どこまでも羽ばたいてゆけそうな高音域、豊かに響きわたる低音域。そして、全てを包み込むようなフォルティッシモに、囁きつつも決して芯を失わないピアニッシモ。この幅広い表現力こそ、イタリア伝統のベル・カントを受け継ぐ歌声なのだ。世界最難関と言われるヴェルディ国際をはじめ、名だたる声楽コンクールに「出場すなわち優勝」という輝かしい実績を引っ提げ、母国はもとより、ヨーロッパ各国の檜舞台で活躍を続けているテイツィアーナ・ドゥカーティ。この秋、日本の音楽ファンの前に再び降臨し、至宝とも言うべき美声をたっぷりと聴かせる。パートナーを務めるのは、桐朋学園大からベルリン芸術大学に学び、国際的な活躍を続ける実力派ピアニストの山口研生。ドゥカーティはベッリーニの歌劇《ノルマ》から〈清らかな女神よ〉やプッチーニの歌劇《トスカ》から〈歌に生き愛に生き〉など名アリアの数々を。山口はリスト「エステ荘の噴水」やドビュッシー「月の光」などソロでも佳品を披露する。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)

10/27(月)19:00 紀尾井ホール
問:テイツィアーナ・ドゥカーティ&山口研生デュオリサイタル実行委員会080-2744-1015(岩永)