東京フィルハーモニー交響楽団は9月29日に都内で記者会見を開き、ダン・エッティンガーの同フィル常任指揮者就任を発表した。任期は2010年4月から3年間で、彼は同フィルの初代常任指揮者、マンフレッド・グルリットから数えて8代目となる。エッティンガーは、イスラエル交響楽団の音楽監督に加え今年9月からマンハイム国民劇場音楽監督にも就任している。これまでにウィーン国立歌劇場、ロスアンゼルス・オペラ、バイエルン州立歌劇場など世界の主要オペラハウスで指揮し、今年9月にはメトロポリタン・オペラのシーズン・オープニングである《フィガロの結婚》、2010年には英国ロイヤル・オペラで《リゴレット》を指揮する予定。彼が東京フィルを初めて指揮したのは05年4月、その後毎年共演を重ね、定期演奏会で自らピアノを弾いて室内楽を披露するなど、新たな試みも好評を博している。就任披露演奏会は10年4月4日のオーチャード定期で曲目はマーラーの交響曲第2番「復活」。以下、会見でのコメント(抜粋)
「私は5年前から東京フィル及び新国立劇場と芸術的な関係を築いてきましたので東京は第2の故郷と言っても過言ではありません。私はバリトン歌手として活動したこともあり、オペラには格段の思い入れがあります。ですから、新国立劇場と密接な関係がある東京フィルの常任指揮者に就くことに感慨深いものがあります。私はこの契約が末永く続く東京フィルとの素晴らしい関係への第一歩であることを願っています」
また、東京フィルとエッティンガーのライヴ・アルバム2タイトル、『R.シュトラウス:交響詩<ツァラトゥストラはかく語りき> 他』(TPTW-1001/¥1000)『チャイコフスキー:交響曲第5番/モーツァルト:ピアノ協奏曲第21番』(TPTW-1002/¥1000)が会見同日にタワーレコードのレーベル「TOWER CLASSICAL」より発売された。モーツァルトのピアノ協奏曲ではエッティンガーが弾き振りを披露しており、彼のピアニストとしての魅力も堪能できる。