カメラータ・トウキョウの音源がクリプトンより配信中

 オーディオ・アクセサリーやスピーカーで知られるクリプトン社が6月29日から高音質音楽データ配信サービスを開始した。これは日本では最初となる、DRM(デジタル著作権管理)フリーの音源を配信するシステムで、カメラータ・トウキョウが提供するコンテンツが24bit/96kHzの高音質で専用ウェブサイトであるKRIPTON HQM STORE よりダウンロードできる。この音楽データは、DRMを利用した配信方式とは異なり、ダウンロード用のパソコンに制約されず、また特定のソフトウェアに左右されることなく、英国のLinn社製専用プレーヤなどの高音質機器を通じ自由に再生が可能となる。情報量はCDの約500倍でコンサートホールの雰囲気や各楽器の音色がリアルに再現されるという。
 カメラータ・トウキョウの中野浩明社長は「楽器の音色やその変化、演奏会場の空間の広がりなど、そのリアルな音に驚かれるかもしれません。ピアニストの遠山慶子さんにも実際にご自身で録音された音(第1回配信音源)をお聴きいただいたのですが、『自分の伝えたかった音、演奏の意図がはっきり聴き取れる。ドビュッシーとラヴェルで変えていたタッチがよくわかるでしょう?こういう形で聴けるようになって、努力の甲斐があったわ(笑)』と絶賛されていました。アーティストが意図した音とその演奏空間を再現することができますから、録音の可能性も広がります。新録音はもちろん、LP時代のアナログ録音も高音質で聴けるのが大きな魅力です。今後普及するのは確実でしょう」とその将来性を語った。また、「パッケージ版(CD化やレコード化されている)の高音質音楽データもDVD-ROMでリリースを始めました。アナログ音源は配信版を上回る24bit/192kHzでデジタル化した非圧縮データが収められています」とのこと。
 現時点で配信のメニューは毎月2〜3タイトルずつ。8月以降は『植村理葉&岡田博美/ラヴェル&ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ集』『マイケル・ポンティ・プレイズ・リスト/超絶技巧練習曲』『ブルーノ・カニーノ・プレイズ・ロッシーニ・&ドニゼッティ』『エディット・ピヒト・アクセンフェルト/バッハ:パルティータ全集』などが予定されている。
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