モーツァルトの“秘曲”をフレッシュなメンバーで
ますます人気と評価を着実に高めている若きウェールズ弦楽四重奏団。そんな彼らがレジデント・アーティストを務めるHakuju Hallで、『ワンダフルoneアワー』シリーズ2度目の公演を行う。プログラムは前回同様、古典と現代を軽やかに往来する作品が選ばれた。しかも今回は、読売日本交響楽団の首席クラリネット奏者として活躍する金子平をゲストに迎え、2つのモーツァルト作品を対置。晩年の傑作、クラリネット五重奏曲と、未完のクラリネット五重奏曲の第1楽章と推測される秘曲「断章」、いずれも本当に楽しみだ。ウェールズも、金子も、ともに2008年のミュンヘン国際コンクールで第3位に輝いた実力派。緻密で洗練された掛け合いを期待しよう。そしてもう1曲、藤倉大の弦楽四重奏曲第2番「フレア」の再演にも注目。炎をイメージして書かれた超難曲で、彼らが同ホールで演奏するのは約2年半ぶりだ。その間に重ねた研鑽の成果に期待が募る。
文:渡辺謙太郎
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)
10/10(金)15:00/19:30 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
http://www.hakujuhall.jp