【CD】キーウの鳥の歌/オクサーナ・ステパニュック

 クラシック・シーンでウクライナといえば作曲家スコリクの「メロディ」が今や愛奏曲だが、日本では北海道合唱団の故・木内宏治が手掛けた日本語詞による「キーウ(キエフ)の鳥の歌」も合唱の名曲として昭和の末から歌われている。越冬のため南へ渡るナイチンゲールに寄せて哀しみを綴った原曲は、2022年9月に発売されたウクライナのディーバ、オクサーナ・ステパニュックの2枚組アルバム『ウクライナの歌』にも収録されていたが、今回のシングル盤では木内の詩による日本語歌唱が聴きどころ。2003年以来、日本国内で多くのコンサートを行っているだけにその歌い回しも見事で胸を打たれる。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2023年1月号より)

【information】
CD『キーウの鳥の歌/オクサーナ・ステパニュック』

ビラシィ(鈴木豊乃編):キーウの鳥の歌(日本語歌唱・ウクライナ語歌唱・カラピアノ)

オクサーナ・ステパニュック(ソプラノ)
比留間千里(ピアノ)

Beltàレコード
YZBL-5004 ¥1500(税込)