巨匠オピッツに学んだピアニストが贈るドイツ・ロマン派の佳品
誠実で深みある音楽作りと、芳醇な音色で聴き手を惹きつけるピアニスト可児亜理。ミュンヘン音大でゲルハルト・オピッツに育てられ、国際コンクールのステージではアルゲリッチやヨアヒム・カイザーから絶賛される実力派である。とりわけベートーヴェン、シューマン、ブラームスといった“ドイツもの”は独奏、室内楽、協奏曲問わず国内外での演奏機会も多く、高く評価されている。
着実にリサイタルを重ねる可児が今回据えたテーマは「Robert Schumannの世界で」。コンサート前半は、シューマンと同時代を生きたショパンのマズルカop.33-1,2と即興曲第2番を取り上げる。シューマンの作品からは、創作力が漲る大作「ダヴィッド同盟舞曲集」、可児が共演を重ねる梅原真希子(ヴァイオリン)、三宅進(チェロ)とともにピアノトリオ第1番というプログラム。上質なロマンティシズム溢れるショパンとシューマンの世界に浸ることができそうだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2022年12月号より)
2023.1/11(水) Hakuju Hall
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