ジャーマン・ロマンティシズム 石陽(ヴァイオリン)&毛翔宇(ピアノ)

才能の煌めきを小空間で体感する贅沢


 小柄な身体に秘めた、大きな才能が開花する。弱冠13歳ながら、国際的に活躍するヴァイオリニストの石陽。日本に生まれた石は3歳でヴァイオリンを始め、6歳で中国への帰国後は上海音楽大学の重鎮らの薫陶を受けた。現在もさらなる研鑽を積む一方、上海大劇場の新年コンサートや上海交響楽団のステージに出演。2011年には人気ヴァイオリニストの五嶋龍と共演、翌年にはソロ・リサイタルでのデビューも果たした。今回は『ジャーマン・ロマンティシズム』と題した、生まれ故郷・日本でのステージ。共演する師の毛翔宇は、北京生まれでジュリアード音楽院に学び、国際的な活動を展開する一方、上海音楽院教授として後進の指導にも力を注ぐ実力派ピアニスト。名手のバックアップを得て、石はベートーヴェンのソナタ第5番「春」とブルッフの協奏曲第1番を弾き、毛がソロでブラームス「8つのピアノ小品 op.76」を添える。会場のsonoriumは、海外からの演奏家のコンサートも盛んな、美しい響きを誇る100席の小空間。才能の煌めきを、より身近に体感することができるだろう。
文:笹田和人
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)

10/1(水)19:30 sonorium
問:アジア・音楽友の会 080-3801-5803 
http://www.sonorium.jp