映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』

娘の視点でとらえたアルゲリッチの真実

(C)Adriano Heitman

(C)Adriano Heitman

 マルタ・アルゲリッチの三女、ステファニー・アルゲリッチが監督を務めたドキュメンタリー映画『アルゲリッチ 私こそ、音楽!』(2012年 フランス・スイス)が、この秋、Bunkamuraル・シネマ他で公開される。近年のアルゲリッチの映像だけではなく、プライベートな古いホームビデオの映像もふんだんに使われており、家族でなければ決して撮ることのできない作品に仕上がっている。
 マルタ・アルゲリッチにはそれぞれ父親の異なる3人の娘がいる。長女がヴィオラ奏者のリダ・チェン、次女がシャルル・デュトワとの娘アニー・デュトワ、そして三女がピアニストのスティーヴン・コヴァセヴィッチとの間に生まれた本作品監督のステファニー。カメラは姉たちや父親の姿をもとらえる。複雑な家庭環境のなかで育ったステファニーが描くアルゲリッチの素顔は“母”以外のなにものでもない。不世出のピアニストを追った音楽ドキュメンタリーであると同時に、ひとつの家族の物語としても深い共感を呼ぶ。
文:飯尾洋一
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年10月号から)

9/27(土)より、Bunkamuraル・シネマ 他にて公開
公式ウェブサイトhttp://www.argerich-movie.jp