古典四重奏団 ムズカシイはおもしろい!! モーツァルト全曲2014の1〜3

天才の作曲技法の奥義に迫る

(C)藤本史昭
(C)藤本史昭

 名人集団・古典四重奏団による、人気のレクチャー付きコンサート『ムズカシイはおもしろい!!』。昨秋から続けている、モーツァルトの弦楽四重奏曲の全23曲を取り上げるシリーズ(全6回)も、この秋に行われる3回のステージで完結へ。夭折の天才の作曲技法の全貌が、いよいよ明らかとなる。
 今年の第1回(9/27)は、「本当の意味の『パパ』はレオポルドか、ハイドンか」のパート2。第5、11、23、17番を中心に。また、第2回(10/10)は「ミューズへの恭順」と題して、第6、12、18番と永遠の名曲「アイネ・クライネ・ナハトムジーク」を。そして第3回(10/26)は「ミューズへの反逆」と題し、第7、13、20、19番を聴く。
 「私たちは演奏家なので、作曲家は何をもって美しいと感じていたか、ということが一番大事だと考えます。その美意識を見つける作業が最も難しい、最も楽しい。それを皆さんにお伝えしたい」と、レクチャーも担当するチェロの田崎瑞博。
 「モーツァルトの信条は、“音楽の神”ミューズに近づくことだった。彼は『アイネ・クライネ〜』の完璧な音楽でミューズに“恭順”したが、それでは物足りなくなった瞬間があった。それが“反逆”だった。第19番『不協和音』から、その片鱗を探ります」
 時に無邪気に、時に深く人間の内面をえぐるなど、様々な表情を見せる佳品たち。ハイドンが完成させた弦楽四重奏というスタイルをさらに進展させ、深化をもたらしたモーツァルトの秘密に、肉迫する経験ができるだろう。
文:寺西 肇
(ぶらあぼ + Danza inside 2014年8月号から)

2014の1  9 /27(土)14:00レクチャー 14:45開演
2014の2 10/10(金)19:00レクチャー 19:20開演
2014の3 10/26(日)14:00レクチャー 14:45開演
第一生命ホール
問:トリトン・アーツ・ネットワーク・チケットデスク03-3532-5702 
http://www.triton-arts.net