勅使川原三郎が文化功労者に選出

 政府は10月25日、2022年度の文化勲章受章者6人と文化功労者20人を発表した。シンガー・ソングライターの松任谷由実、将棋棋士の加藤一二三、彫刻の中谷芙二子らに並び、舞踊家の勅使川原三郎が文化功労者に選ばれた。文化功労者は、文化の向上発達に関し特に功績顕著な者に送られる。

勅使川原三郎 
Photo by Akihito Abe

 勅使川原は選出にあたり次のようにコメントした。
「選ばれたことはとてもありがたいこと、身の引き締まる思いです。これまで関わってくれた仲間、支援、激励してくださった方々、あるいは教えをくださった方々に感謝したいと思います。
 困難や見果てぬもの、知らないことがあることによって、私は大いに力を与えられてきました。この機会は自分にとって新たな興味を抱かせるきっかけになると、そう捉えることができます。『これからももっとやれ』と言われているような気がしています」

 勅使川原は、バレエを学んだのち、1985年に自身のダンスカンパニー「KARAS」を設立。舞台美術や照明、衣裳、音楽構成などを自らが手掛け、既存の枠にとらわれない作品を生み出してきた。振付家、ダンサーとして数多くの作品を手がけ、パリ・オペラ座バレエ団をはじめとする数々の名門カンパニーからの依頼で作品を創作。また新国立劇場《オルフェオとエウリディーチェ》(2022年5月、現在「OperaVision」で配信中)などオペラの演出にも意欲的に取り組む。現在、愛知県芸術劇場の芸術監督を務めている。今年1月には、ヴェネツィア・ビエンナーレ・ダンス金獅子功労賞を受賞した。

Photo by Akihito Abe

 これまで発表してきた作品は、その独自の世界観、独創性により国内外で高い評価を受けている。
「もし私に特徴的なことがあるとしたら、全く皆さんと同じように自分の中に秘めたるものだと思います。ごく当たり前のものでもじっと見ていると、感じるということを膨らませることができる。自分の経験のあらゆること、数えきれないことが、ダンスをつくる上で大事な要素です。それは、その価値が高いかどうかは全く問題ではなく、それが“実感したもの”かどうかということが大事なのです」

  拠点とする東京・荻窪のカラス・アパラタスでは、現在、アーティスティック・コラボレーターとして活躍する佐東利穂子の新作『告白の森』を上演中(10月30日まで)。勅使川原と佐東は11月上旬よりイタリア6都市をめぐるツアーの実施を予定している。


KARAS
https://www.st-karas.com

【動画】勅使川原三郎演出 新国立劇場《オルフェオとエウリディーチェ》新制作

2023年4月7日までOperaVisionにて配信

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