黒木雪音がリスト ユトレヒト(リスト国際コンクール)で優勝

 9月22日から29日にかけて、オランダのユトレヒトで行われた「リスト ユトレヒト 2022」で、黒木雪音が第1位に輝いた。

黒木雪音 Photo by Allard Willemse

 1986年に創設されたこのコンクールは3年に一度、開催され、これまでの入賞者にはユンディ・リや後藤正孝らが名を連ねる。今回から、名称を「リスト国際コンクール」から「リスト ユトレヒト」へ変更し新たな構成で実施。シューベルト生誕225年を記念し、「シューベルト・エディション」として、課題曲にはリストのほかシューベルトの歌曲集、リストの編曲による作品も含まれた。
 今年は、オンラインでのセレクションラウンド(ビデオ審査)を通過した21ヵ国の40名が、今年1月の公開セッションに出場し10名が選出。9月22日から26日の「フェスティバル」期間に4つのリサイタルで演奏し選ばれた3名が、29日のグランド・フィナーレ(ファイナル)で、シューベルトの歌曲「さすらい人幻想曲」(リスト編曲によるピアノ&オーケストラ版)をオランダ放送フィルハーモニー管弦楽団と共演した。

 結果は以下の通り。

第1位 黒木雪音 Yukine Kuroki(日本)
第2位 Derek Wang(アメリカ)
第3位&聴衆賞 Yeon-min Park(韓国)

ファイナルにて Photo by Allard Willemse

 黒木は、7歳で東京ニューシティ管と共演し、これまでに東京フィル、神奈川フィル、リトアニア国立交響楽団、ポーランド・シレジアフィルハーモニー交響楽団など国内外のオーケストラと共演。今年5月、ダブリン国際ピアノコンクールで日本人初となる優勝を果たした。ピティナピアノコンペティション全国決勝大会特級銀賞、G級金賞、福田靖子賞(第1位)、岩谷時子賞Foundation for Youthなど受賞のほか、リトアニアのヴィルニュスピアノフェスティバルなど海外の音楽祭に招かれている。昭和音楽大学を経て、同大学院音楽研究科修士課程2年および同附属ピアノアートアカデミーに在籍。江口文子に師事。

 黒木には副賞として10月2日、コンセルトヘボウで行われる演奏会をはじめ、各国でのコンサートの機会が与えられる。
 次回は、2026年に開催される予定。

Photo by Allard Willemse
左:Derek Wang 右:Yeon-min Park

Liszt Utrecht
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