2023年1月の海外公演情報

Wiener Staatsoper Photo by Dimitry Anikin on Unsplash

『ぶらあぼ』誌面でご好評いただいている海外公演情報を「ぶらあぼONLINE」でもご紹介します。海外にはなかなか出かけられない日々が続きますが、“妄想トラベル”を楽しみましょう!
[以下、ぶらあぼ2022年10月号海外公演情報ページ掲載の情報です]

曽雌裕一 編

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 今夏「セイジ・オザワ松本フェスティバル」の「フィガロの結婚」で絶賛されている指揮の沖澤のどかさんだけでなく、世界の第一線で活躍している日本人女性指揮者は他にもいる。例えば、八嶋恵利奈さん。1月には、ベルリン・コーミッシェ・オーパーでドヴォルザーク「ルサルカ」やモーツァルト「魔笛」を振るほか、ハンブルクのNDRエルプフィルでも定期演奏会の一プログラムを任されている。ドイツ生まれで活動もドイツ中心のため、まだまだ日本では知名度は高くないが、今後の飛躍が大いに期待できる新星と言えよう。

 さて、1月は、まずは待望久しいエサ=ペッカ・サロネンのベルリン・フィル復帰公演に期待。今期はコンポーザー・イン・レジデンスとして作曲家サロネンに焦点が当てられてはいるが、もちろん最大の関心はサロネンの指揮。これを機会に毎シーズン、サロネンが登場するようになればベルリン・フィルへの期待値が一層高くなるのは間違いない。もちろん、ベルリン・フィルの1月は、他にバレンボイムとアルゲリッチの共演、御大ペトレンコのメンデルスゾーンの大曲「エリヤ」など、相変わらず豪華な企画が並んでいる。ちなみに、サロネンはベルリン・フィルへの客演が終わった後、パリ管に登場する。

 一方、ウィーン・フィルの方は、ウェルザー=メストがニューイヤー・コンサートを振った後、ネルソンスがマーラーの交響曲第7番を演奏。その後、ザルツブルク・モーツァルト週間では、バレンボイムがこちらでもアルゲリッチと共演を果たす。なお、アルゲリッチはパッパーノ指揮ローマ・サンタ・チェチーリア国立管とのツアーにも参加する(ウィーンのコンツェルトハウス)。オーケストラ関係では、他に、ロト指揮ケルン・ギュルツェニヒ管のシューマン「楽園とペリ」、同じロト指揮レ・シエクルの20周年記念演奏会(シャンゼリゼ劇場)、マケラ指揮コンセルトヘボウ管のR.シュトラウス「アルプス交響曲」とユロフスキー指揮バイエルン州立管の同じ「アルプス交響曲」の競演など大いに興味を惹く。ベルリン・ドイツ響とベルリン放送響が出演する現代音楽祭「ウルトラシャル・ベルリン」は、誰にでもお薦めというわけにはいかないが、現代音楽ファンにとっては毎度見逃せない内容。逆に古楽系では、ガーディナー指揮イングリッシュ・バロック・ソロイスツでのヴァイオリンのファウストとヴィオラのタメスティとの共演(ウィーンのムジークフェライン、ケルンのフィルハーモニー等)も要注目の公演。

 オペラでは、ミンコフスキが各所で手がけているモーツァルトの「ダ・ポンテ三部作」を1月はヴェルサイユ宮殿のオペラ・ロワイヤルで上演(演奏は手兵のレ・ミュジシャン・デュ・ルーヴル)。ザルツブルク・モーツァルト週間で上演されるモーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」はJ.プレガルディエン、コジェナー、レージネヴァといった人気歌手が揃う。プレミエ公演では、ナガノ指揮のショスタコーヴィチ「ムツェンスク郡のマクベス夫人」(ハンブルク州立歌劇場)、マンゼ指揮のパーセル「ディドとエネアス」他(バイエルン州立歌劇場)、クリスティ指揮レザール・フロリサンの同じ「ディドとエネアス」(テアトロ・レアル)、コルネリウス・マイスター指揮のワーグナー「神々の黄昏」(シュトゥットガルト歌劇場)、ルイージ指揮のヴェルディ「シチリア島の夕べの祈り」(ミラノ・スカラ座)、アイム指揮ル・コンセール・ダストレのヘンデル「ジューリオ・チェーザレ」(オランダ国立オペラ)あたりが面白そう。その他、メータ指揮の「サロメ」(ミラノ・スカラ座)、ナガノ指揮の「エレクトラ」(ハンブルク州立歌劇場)といったR.シュトラウス競演やドレスデンでのティーレマン指揮のワーグナー「リング」にも要注目。「ザルツブルク・モーツァルト週間」にはあまり言及できなかったが、バボラーク・アンサンブルやサヴァールの演奏会も見逃せない。
(曽雌裕一・そしひろかず)
(コメントできなかった注目公演も多いので本文の◎印をご参照下さい)