侍BRASS 2022《舷牆》

夏はブラスで音楽の大海原へ!

(c)藤本史昭
提供:東京オペラシティ文化財団

 まさに夏の風物詩だ。トロンボーン奏者・中川英二郎が楽団長を務める人気アンサンブルユニット「侍BRASS」が、東京オペラシティ コンサートホールで毎夏恒例の公演を開催する。

 2006年から続いてきたシリーズで、今年のテーマは「舷牆(げんしょう)」。何やら見慣れない言葉だが、舷牆とは船の甲板の両舷側に設置され、強い波や船員の転落を守る鋼板の柵のこと。今年は探検家マゼランの艦隊による、史上初の世界一周の航海から500年に当たることにちなみ、9人の金管楽器奏者と1人の打楽器奏者による「大航海=コンサート」へと観客をいざなう。

 プログラムのメインタイトルである中川作曲の「舷牆」は、左右の舷牆に見立てた2本のトロンボーンをフィーチャーした新作。ほかにも、滝澤俊輔「宝船」、石川亮太「海賊弁慶丸」、映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』のテーマ「He’s a Pirate」(エリック・ミヤシロ編)、リムスキー゠コルサコフ「シェエラザード」(高橋宏樹編)など、海・航海・船にまつわる曲を中心に演奏される。

 参加メンバーはエリック・ミヤシロ、本間千也、澤田真人、オッタビアーノ・クリストーフォリ(以上トランペット)、森博文(ホルン)、野々下興一(バス・トロンボーン)、齋藤充(ユーフォニアム)、次田心平(テューバ)、岩瀬立飛(パーカッション)。オーケストラ、吹奏楽、ジャズなど異ジャンルで活躍する名プレイヤーが「侍BRASS号」に集結。最高のサウンドはもちろん、ユーモア満点のトークでも会場を熱く沸かせる。

 2022年の夏は「侍」たちとともに「音楽の大海原」へと乗り出そう。
文:オザワ部長(吹奏楽作家)
(ぶらあぼ2022年8月号より)

2022.8/28(日)15:00 東京オペラシティ コンサートホール
問:東京オペラシティチケットセンター03-5353-9999 
https://www.operacity.jp