歴史を動かした絶世の美女へ想いを馳せて
チェンバロとヒストリカル・ハープ、2種の古楽器を自在に操る稀有な演奏家でありクラシック界きっての“歴女”が、歴史上の有名な人物を巡る物語を多彩なゲストを交えて紡いでいく「西山まりえの歴女楽」第8弾。こちらは王子ホールの名物企画「銀座ぶらっとコンサート」が誇る人気シリーズで、前回の女帝エカチェリーナ2世と前々回の太陽王ルイ14世も好評を博したが、今回の女王クレオパトラ編はさらに大きな話題を呼びそうだ。
プログラムはエジプトの伝統音楽とバロック音楽の2本柱で、両スタイルで即興演奏を取り入れる予定とのことで期待が高まる。まずは神秘的な「永遠なるナイル」と軽快な「ロンガ・ファラッファザ」で、常味裕司が巧みに操るウードと濱元智行が奏でるレク(タンバリンの一種)、そしてバロック・ハープが織りなすオリエンタルな雰囲気を心ゆくまで楽しみ、巨匠ヘンデルの傑作オペラ《エジプトのジュリアス・シーザー》の世界へ。チェンバロと名手・大江馨のヴァイオリンにのせて、注目のソプラノ・松井亜希が超絶技巧を駆使したアリア〈嵐で船が難破しても〉など、エジプト女王の愛と苦悩を歌い上げる。特にヘンデルゆかりの(3列弦の)トリプル・ハープを交えて演奏される、囚われの身となったクレオパトラが歌う名曲〈我が運命を嘆く〉は必聴。加えてクレオパトラの美の秘訣…アンチエイジング方法やお洒落の逸話など、充実のトークも聴きどころ!
文:東端哲也
(ぶらあぼ2022年3月号より)
2022.4/8(金)13:30 王子ホール
2/26(土)発売
問:王子ホールチケットセンター03-3567-9990
https://www.ojihall.jp