東京都交響楽団がアラン・ギルバートの首席客演指揮者任期延長を発表

 東京都交響楽団は、12月8日、首席客演指揮者アラン・ギルバートの任期を2025年3月まで延長することを発表した。ギルバートは、2018年4月に同ポスト就任以来、多彩なプログラムを取り上げ高く評価されてきた。

アラン・ギルバート (c) Rikimaru Hotta

 2022年の出演公演も話題性は高い。3月の第947回定期演奏会と都響スペシャルにおいて「生きる喜びを綴っているように感じる」と語るブルックナーの交響曲第7番と、ギルバート指揮ベルリン・フィルでヨーロッパで初演されたアイスランド人作曲家アンナ・ソルヴァルドスドッティルの「メタコスモス」を披露。続く7月の都響スペシャル「チック・コリアに捧ぐ」は、昨年他界したチック・コリアが遺したトロンボーン協奏曲をニューヨーク・フィル首席奏者のジョセフ・アレッシを迎えて日本初演するほか、ガーシュウィンやラヴェルの名曲が並ぶ。同月の定期演奏会(第955回、第956回)では、モーツァルト「三大交響曲」を取り上げる。

 信頼関係を深めたギルバートと都響の今後の展開が注目される。

アラン・ギルバートのコメント
 東京都交響楽団と私が深めてきた音楽的な絆は、私にとって非常に大切なものであり、首席客演指揮者としての任期がさらに継続されることは大きな喜びです。
 この数年、私たちは幅広いレパートリーを取り上げてきましたが、どのプロジェクトにおいてもオーケストラの皆さんの献身的な取り組みと深い理解を感じ、感謝してきました。
 素晴らしい奏者の皆さんと共にした演奏は、どれ一つをとっても忘れられないものばかりで、このような優れたヴィルトゥオーゾたちと信頼関係を築けたことを、大変光栄に思います。
 日本には家族的な繋がりを感じており、私の第2の故郷である日本で、音楽を愛する聴衆の皆さまと音楽を分かち合える機会はかけがえのないものです。都響とともに、より一層素晴らしいコンサートをお届けできることを楽しみにしております。
 感謝を込めて。
(訳:飯田有抄)

(東京都交響楽団ウェブサイトより転載)

2022年の出演公演

第947回 定期演奏会 Cシリーズ
2022.3/26(土)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
都響スペシャル
2022.3/27(日)14:00 サントリーホール

指揮:アラン・ギルバート
♪アンナ・ソルヴァルドスドッティル:メタコスモス(2017)(日本初演)
♪ブルックナー:交響曲第7番 ホ長調 WAB107

都響スペシャル「チック・コリアに捧ぐ」
2022.7/17(日)14:00 サントリーホール
2022.7/18(月・祝)14:00 サントリーホール

指揮:アラン・ギルバート
トロンボーン:ジョセフ・アレッシ
♪ガーシュウィン:キューバ序曲
♪チック・コリア:トロンボーン協奏曲(2020)(日本初演)
♪ラヴェル:スペイン狂詩曲
♪ラヴェル:ボレロ

第955回 定期演奏会 Cシリーズ
2022.7/24(日)14:00 東京芸術劇場 コンサートホール
第956回 定期演奏会 Bシリーズ
2022.7/25(月)19:00 サントリーホール

指揮:アラン・ギルバート
♪モーツァルト:交響曲第39番 変ホ長調 K.543
♪モーツァルト:交響曲第40番 ト短調 K.550
♪モーツァルト:交響曲第41番 ハ長調 K.551「ジュピター」

アラン・ギルバート
東京都交響楽団首席客演指揮者、NDRエルプフィル(北ドイツ放送響)首席指揮者、スウェーデン王立歌劇場音楽監督、ロイヤル・ストックホルム・フィル桂冠指揮者、ジュリアード音楽院指揮・オーケストラ科ディレクター。2017年まで8シーズンにわたってニューヨーク・フィル音楽監督を務め、芸術性を広げる活動が高く評価された。ベルリン・フィル、ロイヤル・コンセルトヘボウ管、シュターツカペレ・ドレスデン、ライプツィヒ・ゲヴァントハウス管、パリ管、クリーヴランド管、ボストン響、フィラデルフィア管などへ定期的に客演。オペラではメトロポリタン歌劇場、ロサンゼルス歌劇場、ミラノ・スカラ座、ゼンパー・オーパー(ドレスデン)、チューリヒ歌劇場などへ登場した。メトロポリタン歌劇場とのDVD『ドクター・アトミック』(Sony Classical)、ルネ・フレミングとのCD『ポエム』(Decca)でグラミー賞を獲得。都響とは2011年7月に初共演。2018年、首席客演指揮者に就任した。

東京都交響楽団
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