【SACD】久石譲 presents MUSIC FUTURE Ⅴ/久石譲&ミュージック・フューチャー・バンド

 久石譲はクオリティにもこだわった本格的クラシック路線で、幅広い聴衆の心をがっちりつかんできた。自作も含むミニマル・ミュージックを軸に構成される「ミュージック・フューチャー」のシリーズはすでに8回を数えるが、本盤は昨秋行われた第7回の模様。アダムズ作品が痛快だ。リズムパターンの反復の中にノスタルジックなジャズのテイスト、田舎の風景描写などが絶妙に織り交ぜられ、筆達者ぶりが楽しめる。デスナー作品はバロックから現代の様々な手法がロック風のノリでミックスされる。新作を含む久石の2作品もテイスト全開、最後は打楽器の刻むリズムに乗って陽気に明るく盛り上がる。
文:江藤光紀
(ぶらあぼ2021年12月号より)

【information】
SACD『久石譲 presents MUSIC FUTURE Ⅴ/久石譲&ミュージック・フューチャー・バンド』

久石譲:2 Pieces 2020 for Strange Ensemble、Variation 14 for MFB/ジョン・アダムズ:Gnarly Buttons for Clarinet and Small Orchestra/ブライス・デスナー:Skrik Trio for Violin,Viola and Violoncello

久石譲(指揮)
ミュージック・フューチャー・バンド
マルコス・ペレス・ミランダ(クラリネット)

収録:2020年11月、よみうり大手町ホール(ライブ)
オクタヴィア・レコード
OVCL-00765 ¥3520(税込)