ヤクブ・フルシャ(指揮) 東京都交響楽団

知られざるスークのファンタジー

(C)Petra Klačková

(C)Petra Klačková

 ドヴォルザーク、スメタナ、ヤナーチェク…に続くチェコの作曲家といえば…ヨゼフ・スーク! ドヴォルザークの生徒であり義理の息子でもあるという彼は、後期ロマン派から近代に至る音楽史の中で「強烈に目立つことはないけれど、気がついた人は幸せになれる」という“四つ葉のクローバー”的な存在。作曲にあたっては民謡などにあまり頼らず、独自のロマン派音楽街道をひた走って、多くの聴き手に「こんないい曲があったとは」というサプライズをプレゼントしているのだ(つまり、まだまだ知られてない作品の宝庫だということ!)。
 首席客演指揮者となって早くも4年目のシーズンを迎え、登場するたびに評価を高めているチェコ出身のヤクブ・フルシャも、お国ものだからという関係を飛び越え、音楽そのものに惚れ込んでいる。6月の「作曲家の肖像」シリーズで聴けるのは、見事な音楽の語り部であるスークの2大名作。19世紀の終わりに書かれた「おとぎ話」は、ラドゥース王子とマフレナ姫の運命的な愛、そして童話のようなファンタジーを4つの作品にした組曲。その約10年後に書かれた「夏の物語」は、5つの曲から成る壮大(しかし牧歌的)な交響詩であり、初夏の香りを漂わせる6月末のコンサートにはぴったりだ。
 ドヴォルザーク好きならこの2曲は押さえないと!と声を大にして言いつつ、フルシャの端正な指揮で再構築されるスークの音楽を堪能して欲しい。
文:オヤマダアツシ
(ぶらあぼ2014年6月号から)

「作曲家の肖像」シリーズ Vol.97 スーク
★6月29日(日)・東京芸術劇場コンサートホール Lコード:33191

他公演
6/24(火)・サントリーホール Lコード:33189
6/25(水)・東京芸術劇場コンサートホール Lコード:33190
(バルトーク:ピアノ協奏曲第3番/共演:ピョートル・アンデルシェフスキ/ストラヴィンスキー:「春の祭典」他)
問:都響ガイド03-3822-0727
http://www.tmso.or.jp