北とぴあ国際音楽祭2021

歌とバレエで魅了するラモーの《アナクレオン》をメインに華麗に開催

 18世紀フランスのラモーは、崇高な悲劇から毒の効いたコメディまで幅広くオペラ化し、今日まで人気が高い大作曲家。1757年初演の小品《アナクレオン》は、古代ギリシャの詩人が主人公の、ほのぼの路線のオペラである。恋も酒も好むアナクレオンが、バッカスの巫女と愛の神の板挟みになるが、友人たちとともに「酒の神は愛を否定せず、愛の神は酒を赦す」と人生を謳歌して幕となる。

 来る12月、北とぴあ国際音楽祭2021の上演(演奏会形式)では、指揮&ヴァイオリンの寺神戸亮率いるレ・ボレアード(合唱&管弦楽)の支えを得て、名バリトンの与那城敬が主演。メゾソプラノの湯川亜也子(愛の神)やソプラノの佐藤裕希恵(バッカスの巫女)のコミカルな表現力や、典雅なバロックダンスにも期待大である(当日は同作品に加えリュリの舞曲などが演奏される)。

 なお、音楽祭ではほかにも「3台のフォルテピアノで辿る ショパン愛と夢の軌跡」と題する演奏会「ノスタルジア」なども開催。ロマン派の調べが、小倉貴久子の指捌きのもと、初演当時の響きで蘇る!
文:岸 純信(オペラ研究家)

《アナクレオン》(演奏会形式/フランス語上演・字幕付)
2021.12/10(金)18:00、12/12(日)14:00 北とぴあ さくらホール
ノスタルジア〜3台のフォルテピアノで辿る ショパン愛と夢の軌跡〜
2021.12/2(木)19:00 北とぴあ さくらホール
問:北区文化振興財団03-5390-1221 
https://kitabunka.or.jp
※音楽祭の詳細は上記ウェブサイトでご確認ください。