【CD】悪原至×打楽器 Ⅱ

 新進気鋭のマルチ打楽器奏者、待望の第2弾。父親の死に直面した自身のドラマをマリンバの音色の変容で描いたかのような現代作曲家イグナトヴィッチの作品から、国立音大大学院時代より思い入れあるクセナキスのアンサンブル作品まで魅惑の選曲。浮かんでは消える雪の結晶を思わせる加藤昌則のヴィブラフォン・ソロのための「フロフレイマ」も美しいが、やはりJ.S.バッハ作品の編曲・独奏が圧巻! ヴィブラフォンによる無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番は繊細なテクニックで実現した和音のバランス、マリンバによるシャコンヌは秀逸なレガートに息を呑むはず。
文:東端哲也
(ぶらあぼ2021年6月号より)

【information】
CD『悪原至×打楽器 Ⅱ』

アンナ・イグナトヴィッチ:トッカータ マリンバのための/J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番BWV1001、シャコンヌ/加藤昌則:フロフレイマ ヴィブラフォン・ソロのための/クセナキス:オコ 3台のジャンベのための 他

悪原至(打楽器)
浅原由香(オーボエ)
新野将之 曲淵俊介(以上ジャンベ)

コジマ録音
ALCD-7262 ¥3080(税込)