チェコ出身の名指揮者マルティン・トゥルノフスキー Martin Turnovsky が5月19日にウィーン郊外ラクセンブルクの病院で死去した。92歳。
トゥルノフスキーは1928年9月29日、プラハ生まれ。プラハ芸術アカデミーでカレル・アンチェルに学び、他にもジョージ・セルの薫陶を受けている。1958年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝を契機として国際的な活動を開始。ロンドン交響楽団、ニューヨーク・フィル、クリーヴランド管弦楽団を指揮している。
1966年の「プラハの春」事件により祖国を離れ、オーストリア市民権を獲得、以後ノルウェー国立管弦楽団やボン歌劇場音楽監督として活躍。89年に起きたビロード革命以後は、チェコに戻りプラハ交響楽団で首席指揮者として国内での演奏活動にも勤しんだ。日本との繋がりも深く、1998年に群馬交響楽団首席指揮者に就任し、数々の名演を聴かせた。大阪センチュリー交響楽団、札幌交響楽団、仙台フィルハーモニー管弦楽団、東京交響楽団でも指揮してオーケストラファンから愛された。