飯野明日香(ピアノ) Parfum du futur Vol.21 新たな出会い

銘器の調べとの邂逅と現代音楽の端緒を開く、味わい深い時間

 飯野明日香が二部構成の意欲的なリサイタルをサントリーホールで行う。第一部は一昨年に開始した全3回シリーズ「エラールの旅」の第2回。ホールが所蔵する1867年製エラールの大型ピアノを用いて、第1回ではフランス近代と日本の20世紀作品を聴かせた飯野だが、今回は「旅」を一歩進め、ベルク、ベリオ、ミュライユの20世紀作品、そして尺八の三橋貴風を迎えて新実徳英の「ロンターノ C. 〜尺八とピアノのための」(委嘱新作・世界初演)を披露する。エラール特有の響きとの邂逅が楽しみだ。

 第二部では飯野が昨年リリースしたアルバム『和の歌』の全10曲を弾く。10名の作曲家(金子仁美、川上統、川島素晴、小出稚子、篠田昌伸、鈴木純明、法倉雅紀、挾間美帆、平川加恵、山田武彦)が手がけたピアノ作品は、すべて飯野が委嘱したもの。飯野は「日本人にとって馴染み深い旋律をベースとしたこれらの作品が、現代音楽への扉を開き、親しみやすいものとなってほしい」という希望を胸に、ステージ初演に臨む。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2021年5月号より)

2021.5/22(土)14:00 サントリーホール ブルーローズ(小)
問:オーパス・ワン03-5577-2072
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