精妙で圧倒的な音楽表現が際立つピアニズムを聴く
「繊細さの中に強い意志が感じられる演奏」——三浦謙司が2019年ロン・ティボー・クレスパン国際音楽コンクールのピアノ部門で優勝した際、審査委員長のマルタ・アルゲリッチより受けた称賛の言葉である。1993年神戸市生まれ、13歳から単身渡英。ロンドンのパーセル・スクール、ベルリン芸術大学を経て、現在もハンス・アイスラー音楽大学で研鑽を積んでいるが、すでにマンハッタン国際音楽コンクール、Shigeru Kawai国際ピアノコンクール、スタインウェイコンクールベルリンでも優勝を重ね、今世界からもっとも期待を寄せられているピアニストのひとりだ。
そんな三浦が5月19日にHakuju Hallに登場する。多彩なプログラムが魅力的。シューベルト、プーランク、ショパンの即興曲を取り上げ、シューマンとドビュッシーのアラベスクを並べる。そして締めはリストの大作、ロ短調のソナタだ。三浦の精細かつ圧倒的な音楽表現に満たされる一夜となりそうだ。
文:飯田有抄
(ぶらあぼ2021年4月号より)
2021.5/19(水)19:00 Hakuju Hall
問:Hakuju Hallチケットセンター03-5478-8700
https://www.hakujuhall.jp