変幻自在な響きの宇宙
“ロシア・ピアニズムの若き至宝”として、世界中の聴衆から熱い注目を浴びているアレクサンドル・ヤコブレフ。ヨーロッパ中の名門コンクールで入賞を重ねること50余り、2010年に開かれた第3回高松音楽コンクールでも優勝を飾り、日本の聴衆にも、強烈な印象を与えた。現在、モスクワはもとより、ベルリンやローマ、ウィーンなどでもリサイタル活動を行う一方、ベルリン交響楽団やスイス・ロマンド管弦楽団、大阪フィルハーモニー交響楽団など世界中の主要楽団と共演を重ねている。東京と、思い出の土地でもある高松で開く来日リサイタル。モーツァルトの第7番とベートーヴェンの第32番という2つのソナタに、ブラームス「7つの幻想曲」とラヴェル「夜のガスパール」を組み合わせた。ロシア本国だけでなく、ザルツブルクやベルリンでも学んだヤコブレフの、幅広いレパートリーを物語る多彩なプログラム。俊英はこの名曲の森から、変幻自在な響きの宇宙を構築していく。
文:笹田和人
(ぶらあぼ2014年2月号から)
★2月9日(日)・高松/アルファあなぶきホール(小)
問:高松国際ピアノコンクール事務局087-812-5583
11日(火)・トッパンホール Lコード:38135
問:プロアルテムジケ03-3943-6677