“ショパンの化身”がおくる絶妙なカップリング
ピアノ好き・ショパン好きにとって待望の公演が、また実現する。ポーランドを代表するピアニストにして、現代最高のショパン弾きと賞されるヤノシュ・オレイニチャク。映画『戦場のピアニスト』におけるすべてのピアノ演奏と迫真の“手の演技”でインパクトを与え、ショパン・コンクールの常連審査員、ワルシャワの国立ショパン音楽大学教授も務める彼は、これまでの来日公演でも聴衆に圧倒的な感動を与えてきた。その演奏はデリケートなニュアンスに溢れ、各音各フレーズが自然かつ意味深い。そして何より音とハーモニーのバランスが聴きなれた演奏とは明らかに違う。“魂の響き”といわれるゆえんだ。
今回は、真の伝統を伝えるショパンの名作はもとより、生誕100年を迎えるピアソラの作品が大注目。以前の公演でもアンコールで「オブリビオン」を披露し、ショパンがピアソラに与えた影響を示唆してきたが、今回は「リベルタンゴ」等の代表曲でその真意と同作曲家の新たな魅力が伝えられる。ここはピアノ好きならずとも円熟の妙演に浸りたい。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2021年1月号より)
2021.1/26(火)13:30 高崎芸術劇場 音楽ホール
問:高崎芸術劇場チケットセンター027-321-3900
http://takasaki-foundation.or.jp/theatre/