【CD】サクバットの舞/宮下宣子&高本一郎

 新日本フィルに約40年間在籍した女性金管奏者のパイオニア・宮下宣子が、トロンボーンの前身サクバットで挑んだ新たな音楽世界。日本における当楽器の第一人者たる彼女が無伴奏で、あるいは多様な活躍をみせるリュート奏者・高本一郎とコラボして、フルート、ヴァイオリン、ヴィオラ・ダ・ガンバの作品を奏でた、意欲的なディスクである。バッハの無伴奏フルート・パルティータの妙技をはじめ、サクバットの音の魅力と楽器の可能性を示す演奏が続き、リュートとのデュオでは古雅にして新鮮な感触がもたらされる。途中に挟まれるリュート・ソロも佳き風情。
文:柴田克彦
(ぶらあぼ2021年1月号より)

【information】
CD『サクバットの舞/宮下宣子&高本一郎』

J.S.バッハ:無伴奏フルート・パルティータより/コレッリ:12のヴァイオリン・ソナタ集ソナタ第5番/オ・カロラン(高本一郎編):小さな妖精と大きな妖精/マレ:ヴィオール曲集第5巻 組曲第6番より/オルティス:マドリガーレ「幸せなわが眼よ」によるレセルカーダ第2番、レセルカーダ第1番「パッサメッツォ・アンティコ」 他

宮下宣子(サクバット)
高本一郎(リュート)

レック・ラボ
NIKU-9030 ¥2500+税